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うるし掻きの世界

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うるし掻きの一年

現在、当会で伝承している技術は「殺し掻き」という採取方法です。これは、明治期に豊富なウルシの木を求めて出稼ぎに来た、福井県今立地方の漆掻き職人から伝えられた採取方法です。一本の木から一年ですべての漆を採りつくし、最後に伐採するという方法です。この採取方法に必要な道具も併せて伝えられました。木の状態の見極めや道具の扱い方も含め「漆掻き技術」として、現在の職人に受け継がれています。

刈払い
1. 刈払い

ウルシの木と木の間を動きやすくするために、雑草や雑木を整理します。また、日当たり、 風通しも良くなるのでウルシの木の成⻑を促進します。

目立て
2. 目立て

漆掻きの最初の作業。6月上旬の入梅の前後、幹に⻑さ2cm ほどの短い傷を入れます。 この作業で1年の辺を付けていく場所が決まるので、非常に重要な作業となります。

掻き採り
3.辺付け・掻き採り

目立ての後、約5日〜1週間後に2本目の辺(傷)を付けます。ここから 11 月下旬ごろ まで、天候や気温、木の調子を見ながら徐々に傷の⻑さを伸ばしていきます。採取時期によって漆の特性も異なり、初辺(はつへん)(6月下旬〜7月下旬)、 盛 辺(さかりへん)(7月下旬〜9月上旬)、末辺(すえへん)(9月中旬〜10 月中旬)、裏目(うらめ)(10 月下旬〜11 月上旬)と呼ばれています。

伐採
4. 伐採

最後の一滴まで漆を掻き切ったら、最後は伐採します。伐採後の根から萌芽が発生し、適 切に管理していくと約 10 年後、また漆を掻けるようになるまで成⻑します。

OB研修会1
スキルアップ研修1

毎年、会員向けにスキルアップ研修を開催しています。

OB研修会2
スキルアップ研修2