漆掻き技術を守り、伝える ― 継承 ―
当会は、平成8年1月に設立しました。技術保持者が減少するなか、「うるし掻き技術の継承」と「漆の生産量の確保」を目的に発足。同年5月、文化財保存のために必要な伝統的技術として、文化庁から選定保存技術「日本産漆生産・精製」の保存団体として認定されました。 令和3年までに57人の長期研修生の受け入れや、記録動画、冊子を発行するなど、日本産漆生産に関わる啓蒙活動を行っています。令和2年12月には「漆掻き技術」が「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとしてユネスコ無形文化遺産登録となり、世界が認める技術となりました。
設立からこれまで
沿革
平成8年(1996年)1月
日本うるし搔き技術保存会設立(会員25人)
平成8年(1996年)5月
選定保存技術「日本産漆生産・精製」の分野で、文化庁から認定を受ける
平成9年(1997年)6月
漆掻き職人育成研修、会員の技術向上研修を開始
平成30年(2018年)10月
「国指定文化財建造物保存修復による浄法寺漆振興の連携に関する協定」を締結(岩手県浄法寺漆生産組合、公益財団法人日光社寺文化財保存会、一般社団法人社寺建造物美術保存技術協会、二戸市、日本うるし搔き技術保存会)
令和2年(2020年)12月
「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の一つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録される
〈主な活動〉
- 1. 伝承者の養成
- 漆かき技術の習得希望者を受け入れています。
- ・長期研修 (6月~11月までの6カ月間) 年間2~3名程度
- ・短期研修 (3日間)シーズンごとに実施日程を設定。おおむね10月頃。
- 2. 技術・技能の練磨
- 技術保持者に対する支援を主としたもので、技術研修や全国の漆・漆器産地の視察調査及び関係者との相互交流を行っています。
- 3. 記録の作成及び刊行
- 「漆」にかかわる技術の把握を目的とした総合調査、漆掻き職人のくらしと技術の聞き取り調査、日本産漆の特性を把握するための漆器製作、漆掻き道具の製作工程雛形製作などの記録作成のための事業を行っています。
- 4. 原材料・用具の確保
- 道具がなければ漆掻きができないため、必要な道具の確保を行っています。
- 5. その他
- 漆掻き道具製作者の後継者育成を行っています。 要請に応じて行政、博物館などの研究施設、報道関係などへ情報・資料提供を行い、当会や「日本産漆」に対する理解と周知を図るなどの活動を行っています。
会員数:51名(令和3年5月28日現在)